きょんどう通信

公立小学校の教員 勇気づけの学級づくりに奮闘中

記憶に残る日 

地元にゆかりのある養鯉業関係の方が
「学校の教育活動のために使ってほしいと」と多額の寄付を
くださったのは数か月前。
大型除雪機、放送機器とスピーカー、カラオケセットなど
貴重な備品を購入した勤務校。
今日の音楽はカラオケセットを使い3回目のカラオケ。

担任しているある生徒が、かかった曲に合わせて立ち上がり
リズムよく踊り、満面の笑顔。
そこまでは以前も似たようなことがあったのだが、
今日は曲の3番とも、あるフレーズの場所にくると
同じ振りを繰り返した。適当に動いているのではなく、
ちゃんと覚えて踊っていることが分かる。
そして、発語のないその生徒が、はっきりと口にしたのだ。
「アンパンマーン」と。
他の職員と目を見合わせる。

担任して1年半、こんなにはっきりした言葉を聞いたことはない。
大きな意味のある言葉というわけではないが、
満面の笑みで楽しそうに歌い踊り、言葉を発する姿に熱くなった。
歌い、踊りまくった後は椅子に座り、
ちょっとうつむき照れたような姿がなんともいえず
またよかった。中学生男子に「かわいい」もないのだろうが、
何かに真剣な姿はかわいらしく、美しかった。
記憶に残る日になった。